大逆事件 百回忌法要
先駆者たたえる両市長 代読あいさつ
和歌山
◇市民ら関心高く
新宮と田辺両市の市民団体が共催して24日営まれた「大逆事件犠牲者百回忌追悼法要」は、両市長のあいさつ文を持参した代理の職員や、新宮市議会の奥田勲議長らが参列し、追悼の言葉を述べた。【神門稔】
田岡実千年・新宮市長は「彼ら先人たちに無実の罪をかぶせ、この地に長年、沈黙を強いてきた大逆事件。100年という時の重みをかみしめながら改めて煮えたぎる怒りを感じる。紀州グループ全員の顕彰継続をお約束する」。真砂充敏・田辺市長も「私たちは当たり前のように平和や繁栄を享受しているが、6人は当時から平和や自由、平等をとなえてきた先駆者」とした。
奥田議長は、大石誠之助を名誉市民にする運動に触れ「新宮の文化的土壌の基礎となる人物。市議会として研究する」と強調。法要に初参加の田辺市在住の作家、宇江敏勝さんは「青年時代から大逆事件に関心があった。犠牲者の一人、成石平四郎は私と同じで山仕事やいかだの船頭をした。こんなに多くの人が関心を持ち集まっているのには正直驚いた」と感想を述べた。
新宮市立図書館司書の山崎泰さんは参列者を墓所に案内。「熊野から6人もの犠牲者が出たのは、進取の気風に富み急進的な土地柄が関係あるのではないか」と説明した。
毎日新聞 2010年1月25日 地方版