スペインの闘いに学ぶ
和歌山西支部 H A夫
先日、同盟奈良県本部会長の田辺実氏からスペインの「歴史の記憶に関する法律」について学ぶ機会がありました。
一九三六年、スペインでは総選挙によって選出された民主連合政府が成立しましたが、反動勢力が襲いかかり、フランコ将軍率いる反乱軍のクーデターによってこの政府は倒されました。国際的な義勇軍の参加もあり、共和国軍は果敢に戦いましたが、ドイツ、イタリアのファシストに支援された反乱軍に破れました。
一九七五年まで続いたフランコ独裁政権は共和国を守るために戦った人々やフランコの独裁政権に反対した人々に過酷な弾圧、拷問、差別、圧迫を加え、合同墓地に葬られている遺体は一一万人から二三万人に上るといわれています。
四〇年間スペインではこの事実に一言も触れることも出来ず、フランコ没後も何年間も口にする事が出来なかったといいます。
二一世紀に入って人々はようやく口を開き始めました。二〇〇四年四月、社会労働党のサバテーロ政権が成立し、同年一二月に「歴史の記憶に関する法律」が公布されたのでした。
この法律は内戦時やその後のフランコ独裁時に迫害によって受けた刑罰、制裁を不当なものと認め、名誉を回復することや、亡くなったスペイン大の寡婦や子どもの家族に年金を支給するなどを定めています。
私たちはこのような法律の制定を国に求めて運動している団体です。スペイン人民の歴史をよく学ぶ必要があると痛感しました。
不屈 和歌山県版 No.242(3) 2011/10/15