新春随想
憲法理念を実現させる年に
小 澤 隆 一
毎年の正月三日、福岡市の箱崎宮で玉取祭(玉せせり)が行われます。
褌姿の男衆たちが直径三〇センチほどの木製の玉を奪い合い最後に取った人が奉納する行事です。
憲法をめぐるたたかいも、平和・民主主義・人権と書かれた玉を取り合うようなものだと、この間の情勢から思い知らされています。
参院選で示された改憲反対・構造改革ノーの国民の声は、確実に政治を動かし、テロ特措法の期限切れ廃止と自衛艦のインド洋からの帰還を勝ち取りました。それに危機感をつのらせた者たちは、大連立政権、テロ新法、恒久派兵法の制定を画策しました。
葛飾ビラ配布弾圧事件では、昨年十二月十一日、東京高裁が、ほとんどまともな審理なしに、
一審の無罪判決を破棄して有罪判決を下しました。弁護団は直ちに最高裁に上告しました。
この「玉」を決して彼らに渡してはならない。
「不屈」の言葉をかみしめて迎える年の始まりです。(憲法研究者)
2008年1月15日 不屈中央版 403号