キャンパスリポート
〝平成っ子〟山宣に共感
戦前、平和と民主主義を求めて治安維持法と侵略戦争に反対し、暗殺された山本宣治(山宣)。2011年の元旦も京都府宇治市にある山宣の墓に、学生有志でお参りしてから新年の活動をはじめました。先人の不屈の精神に学び、志を受け継いで一年の奮闘を誓いました。
元日早朝の山宣のお墓参りには2008年から学生有志で参加しています。今年は関西圏から4人が参加し、学費負担軽減や就職難打開をめざす活動を大きく発展させようと誓い合いました。
朝5時半に起床して参加した大阪の私立大学2年生の女性は、山宣について「戦前に治安維持法に反対した勇気ある行動は、戦後の未来に光を与えたと思います」と話します。
彼女が名前だけしか知らなかった山宣のことを詳しく知ったのは大学に入ってからのこと。友達と山宣の墓に行き、『劇画 山本宣治』を貸してもらったことがきっかけでした。「〝平成っ子〟の自分には想像もできない弾圧があった時代に、声をあげたことがすごいと思い、共感するようになった」と言います。
彼女は、山宣が暗殺される直前に言った演説の一節「山宣ひとり孤塁を守る だが私は淋(さび)しくない 背後には大衆が支持しているから」が大好きだそうです。「山本宣治さんがピックアップされているけど、彼を支持して支える人がたくさんいた。あきらめないで、自分も仲間をいっぱいつくろうという思いになる」
学費負担軽減を求める活動をしているときも山宣の生き方を重ね、山宣の言葉を紹介しながら署名を集めています。「学費は高いけど仕方ないもの」と思っていた人も、あきらめずに話しかけると署名に応じてくれるのだそうです。
昨年は山宣の命日3月5日に行われる墓前祭にも参加した彼女。今年は、「山本宣治さんの不屈性を原動力に学び、活動していきたい。学内に仲間を増やしたい」と、抱負を話してくれました。
(学生 福田 耕)
( 2011年01月13日「しんぶん赤旗」)