【九条噺】
「恥も外聞もない」とはこういうことなのか。「テロ特措法」延長に「職を賭す」とした安倍首相が、前代未聞の無責任な辞任劇の前におこなったのが、海上自衛隊のインド洋での給油活動に対する「感謝の言葉」を国連決議に盛り込むよう、ブッシュ大統領らに嘆願したことだった▼結果、国連はアフガンでの国際治安支援部隊の任期延長を決める決議を採択したが、インド洋での給油活動に対する「謝意」も前文に加えた。しかし、この給油活動は国連部隊の活動とは別の、米軍などが『不朽の自由作戦』と称する作戦であり、不自然さは否めない▼「感謝」の「押し売り」も情けないが、問題の核心は、「テロとのたたかい」を口実にアメリカなどの武力攻撃を日本が給油等で支えること自体の是非にある。敢えて言えば、国連部隊にしてもアフガンでは「殺しながら援助」しているようなものだ▼アフガンは、武力攻撃開始以来6年を過ぎても、全土はますます破壊しつくされ、罪もない多くの人々が殺され、今や300万ともいわれる難民がパキスタン国境付近にあふれている▼イラクもまたしかり。武力でことを解決することなど、もうだめなのだと、日本は、世界に誇る平和憲法で真の国際貢献をするのだといえるようにしようじゃありませんか。(佐)
九条の会わかやま 第48号(1) 2007年10月05日